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2013年10月26日 (土)

教練服のナゾ

このプロジェクトの原点になっている長野県内の上原家資料調査を3日にわたって行いました。

上原家は、3人の兄弟がそろって慶應に入学し、3人とも戦死されています。そのご遺族のお宅に残されている3兄弟の資料の整理作業を2010年より継続しています。

ところで、今度開催予定の展覧会の準備に当たって、プロジェクトのメンバーから一つ声が上がりました。

「教練服はどこにも無いのだろうか」

学校で行われていた軍事教練の際、学生たちが身に着けていた教練服。写真ではおなじみの服装なのですが、実物が慶應義塾にはありません。いつもご登場いただいている昭和19年三田会の神代さんにうかがうと、「ペラペラだからねえ、あんなの残ってるとこ、ないよ」とのことで、これは難しいかなとあきらめておりました。

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ところが。その教練服が上着だけですが、上原家で発見されました。なるほど、確かにペラペラで、普通は残っていないかもしれません。知っているようで知らないことばかりです。神代さんに尋ねて初めて知ったのは、この服は学生服の上から着るのが普通だということ。そういう目で写真を見てみると、確かに襟元から学生服がのぞいています(写真の襟元にご注目!)。

今回見つかったものは内側に「KEIO COOP」というラベルがついていて、慶應義塾消費組合(生協の前身)が売っていたもののようです。COOPという言葉を、戦争中の資料にみるとは思いませんでした。写真の中で学生たちが着ているものを見ると、少し形が違ったり、色合いが違うように見えるものがありますから、完全に一緒の仕様ではなかったのかもしれません。

もしお持ちの方がいらっしゃいましたら、引き続き情報をお待ちしています。

下の写真は今回見つかった教練服のタグ。

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